君の隣でその白いドレスを着たくて





あたしは現実から目を背けるように、とにかく勉強を頑張った。

希々とテレビ電話を繋いで一緒に勉強したり、休日は大斗さんに教えてもらったりして、1日の多くの時間を勉強に費やした。


佳奈とも相変わらず仲がいいものの、クラスが離れた上、佳奈は専門学校に行くようで勉強という訳でもなかったため、一緒にいる時間はずいぶん減り、遊ぶこともほぼなかった。


その甲斐もあってか、希々が目指していた大学に、希々と一緒に合格できた。

同じ学校といえど、希々は特待生で、あたしはギリギリ合格のレベルだけど。



「梨々と一緒の大学通えるなんて嬉しいなぁ。」



「私も嬉しいよ。
まさか希々と同じとこに合格できると思ってなかったから。」



入学式が終わり、サークル勧誘をしている人々を避けつつ、希々と大学の外を目指す。


そんな時、ふいに声を掛けられた気がして、辺りを見渡す。



「どしたの?梨々。」



「なんか呼ばれた気がして。」



「あの人かな?」



希々が指さす先には、こちらを向いて全力で手を振っている人が。



「永渡先輩だ。」



「知り合い?」



「うん。高校の先輩。」



私たちは永渡先輩の元へ歩みを進める。



「高木さんがふたりいる!」



久しぶりに会った永渡先輩の第一声だった。



「初めまして。双子の姉の希々です。」



「高木さんと同じ高校だった永渡智紀です。
高木さんが双子だったなんて知らなかったから、さっき見つけた時はびっくりしたよ。」



「そうですよね。高校は別々だったので知らない人も多いんです。
それにしても、永渡先輩がこの大学だったことに私は驚きました。」



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