君の隣でその白いドレスを着たくて
まだまだ肌寒い季節なのに、長袖のシャツの袖をまくって眠っている彼は、少し寒そうだった。
あたしのジャケットでいいかな。
見るに見かねたあたしは、自分の着ていた制服のジャケットを脱いで、彼にかけてあげる。
パサッ
「あ。落ちちゃった。」
ジャケットをかけた反動でまた落ちてしまった紙を拾い上げる。
「ん・・・。」
「あっ。あの、この紙・・・。」
「誰。君。」
「あのあたしは――」
「何、君。それ勝手に見たの?」
ことごとく人の話をさえぎる人だと思った。
「あっ、いや、違います。いや、違わないけど・・。」
「どっちでもいいけど、返してよそれ。」
どっちでもいいなら聞かないでよ、そう思ったけれど口には出さず、おとなしく紙を差し出した。