君の隣でその白いドレスを着たくて






「五十嵐さんが、あたしたちが高木さんを突き飛ばしたせいで、高木さんが怪我したって。
ちゃんと謝るべきだって、あたしたちのクラスまでわざわざ言いに来て・・・。」



「あ。そうなんですね。」



「なに。あんたたち、先輩に言われてなかったら、謝りに来なかったって、遠まわしに言ってんの?」



黙って隣で話を聞いていた佳奈は、彼女たちに、いらだちを隠すつもりもないようすで、そう聞いた。



「それは・・・。」



言葉に詰まっている様子の彼女たち。


そりゃそうだ。

先輩に言われてなかったら、絶対謝りに来るはずないし。

この子たちは先輩に言われて、仕方なーく来てるだけだもん。



「佳奈。もういいよ。
あんなの過去のことだし、怪我ももう治ってるから。」



「でもさ・・・。」





< 53 / 172 >

この作品をシェア

pagetop