君の隣でその白いドレスを着たくて
「あぁ、これ、返すよ。
僕に気なんて遣わなくていいから。」
彼は、自身が起き上がった時に床に落ちてしまっていたあたしのジャケットを拾い上げると、あたしに投げた。
ほんとうにいやな人。
「はい。もう一生そんなことしません!」
「ほら、早く帰りなよ。邪魔だから。」
「そうします。失礼しました!」
少し大きな声を上げたせいで、図書室を出る際に、カウンターに座っていたあの女の子にじろりと見られたけれど、そんなことを気にするほど心に余裕がなかった。
あーっ!ムカつく!
何なのあの人の態度。
ひとことお礼くらい言ってくれてもいいじゃん。
もう今日は早く帰って寝る!