君の隣でその白いドレスを着たくて
もちろん、敵う相手ではないとわかってはいる。
先輩にあんないい顔をさせるのだから、ふたりの間に割って入るつもりも全くない。
けれど、惹かれつつある自分をとめることはできなかった。
だからあたしは知らないふりをした。
まだ大丈夫だと思った。
いまなら大丈夫だと。
好き!っていう感じじゃないし。
いいな、と思う程度だから。
まだ大丈夫。
そう思った。
けれど、そんな簡単に芽を摘むことができるなら、誰も苦労なんてしていないはずだ。
でもそれを、あたしが理解することができるのは、それから少したった頃だった。