君の隣でその白いドレスを着たくて






「その一緒に勉強してたっていう友達は?」



「その子は図書館からわりと近いところに住んでて・・・。」



「ふーん。」



先輩は興味なさげにそう言うと、あたしを横切って前を歩き出す。



「早く。」



ぼーっとその光景を見ていたあたしに、先輩は急かすように言う。



「あ。はい。」



もしかして、・・・家まで送ってくれるのかな?



「一応女の子なんだから、暗くなる前に帰るとか、そういうことすれば?
バカなの?あぁ、バカか。」



「そうやってすぐバカって・・・。」



でもそんなことを言いながらも、わざわざ家まで送ってくれる先輩は、やっぱり優しい。



───



「次は早めに帰るようにしなよ。」



「はい。
送ってくれて、ありがとうございました。」



あたしは先輩にお礼を言うと、家に入る。

そして、次は言われた通り早めに帰ろうと、心に決めたのだった。





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