君の隣でその白いドレスを着たくて
「さっ、帰ろっかぁー。」
お互いに水着を購入し、ちょっと遅めの昼食を食べてから、
ショッピングモールをぶらぶらして、外が暗くなる前に帰ろうということになった。
「楽しかったね!梨々。」
「うん。そうだねー。」
「最近勉強ばっかりだったから、なんかいつもに増して、すっごく楽しかった!!」
「また一緒に出かけようね。」
「もちろん!」
微笑みながら佳奈の方を向くと、視界の端に見覚えのある人が目に留まる。
・・・あれって・・・五十嵐先輩?
服装もさっき着ていたものと似ているし、先輩だよね・・・?
先輩はひとつのお店の中に入っていって、見えなくなってしまう。
「・・・梨々・・・梨々!」
「えっ、あっ、なに?」
あたしは、先輩の方に気を取られすぎていて、佳奈といることを忘れてしまっていた。