君の隣でその白いドレスを着たくて






「やった。ありがとうございます。」



そう言って男性は無邪気な笑顔を見せた。

整った顔立ちのその男性が見せる笑顔は、可愛いともかっこいいとも美しいとも言える、誰もが思わず見とれてしまうような笑顔だった。



「お名前、伺っても?
僕は玉井です。」



「高木です。」



「高木さん。高木さん。高木さん。
よし。覚えました。

あっ。出ましょうか。
車置いてあるので、入り口で待っててください。
まわしてきます。」



「あ、はい。」



玉井さんはそう言うと、早足で図書館を出ていく。

あたしは出していた問題集やノートを鞄にしまい、玉井さんの後を追った。


あたしが入り口に着いた時に、ちょうど車が目の前にとまる。





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