魔界へようこそ~りおんファンタジー~
パパとママに改めてチャンミン様の紹介をした
…インターネットのサイトで
りおんは本気でチャンミン様と結婚するつもりだったから
チャンミン様の年収もちゃんと調べた
盆と正月はこの家に戻ることも約束した
ママは泣きながら
「何が辛いの…?ママ分かんないよ…」
と言い
パパは苦い顔で
「明日病院に行こうか…」
と言った
誰もりおんのことを理解してくれない
もう嫌だ
自分にとって都合悪い主張をする相手に対して
病気扱いして
自分のことを正当化して
りおんは
純粋な恋心で
一生懸命やってきたのに
年齢を重ねていくうちに友達付き合いが少しずつ減ってった
チャンミン様がかっこいいって言ってるうちはよかった
チャンミン様とテレビ越しに目が合ったこととか
チャンミン様に愛してもらえるように化粧して登校した日とか
甘い匂いの女子目指して修学旅行の夜にたくさんドーナッツやケーキを食べたり
その度に友達は
「ありえない」
「やばい」
「トーシツじゃない?」
って言って
りおんから離れていった
パパもママも
そんなりおんのこと
否定せずにずっと育ててくれたのに
味方がいなくなった気がして
苦しくて
寂しくて
目の前にいるはずのパパやママが
とても遠く感じて
「もういい!」
りおんは家を飛び出した