魔界へようこそ~りおんファンタジー~
どれぐらい走っただろう
息が切れてる
昔は走るの大好きだったのになぁ
携帯を家に忘れた
涙がポタポタ流れる
顔をあげると見知った街並み
うそでしょ
家から200mも離れてなかった
「もっと遠くに行かなくちゃ」
もはや何から逃げてるのか自分でも分からなかったけど
りおんは無理矢理走った
こんなに一生懸命走るのは何年ぶりだろう
「んっ!」
ふくらはぎに電流が走ったような痛みが襲う
りおんは転んだ
…車道側に
顔をあげると
まぶしい光に照らされて
迫りくるそれ
動かない身体
そこからの記憶はない