LOVEMEMORY
ドアにむかってくる足音が
だんだん近くなる
バンッ!!
「…亜希…聞いたか?」
「…ごめんなさい」
ライは…はぁっとため息をついてこう言った
「そうゆうこと…オヤジに聞いて」
ライはずかずかと歩いた
中には困った顔の
社長がいた
「…社長…社長の息子は…ライなの?」
「…ああ…ライは本名じゃない…十三番目の名前なんだよ」
「知ってます」
「…あいつ、昔、目を失明したんだ。病気なんだ。右目はとくにひどくてな…その病気がひどくなるごとに、あいつ名前を変えるんだ…『生まれ変わる』とか言ってさ」
「…これで十四回目…なんですね」
「ああ…あいつ…もう自分の名前なんかとっくに捨てたから…」
「ライの本名って…」
「…瑞樹。桐原瑞樹だよ」
時が…動きだしたんだ。