LOVEMEMORY




     中学二年 



鳥のさえずりが聞こえる 
飯のにおいがする 

なのに…何も見えない 



俺はとりあえず 

起き上がって 

大声でオヤジを呼んだ 



怖かった 

何も見えない暗闇の世界 
…泣いた 

怖いという恐怖心が 

俺の心を吸い取ったんだ 



オヤジは俺を引っ張り 

なんとかして飯を食べさして 

病院に行った 




「原因不明ですね。…とりあえず様子を…」 



「…様子を見ろって…俺は何も見えなくて怖いのにかっ!?あんたの顔も見えない…殴りたくても殴れないんだよ…っ」 




俺は泣き崩れた 

記憶にある亜希の顔が 

じわじわ浮かぶ 








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