LOVEMEMORY





丁度、観覧車は頂上。 

あたしは瑞樹を抱き締めた


「目が見えなくても…ぬくもりはある。あたしは此処に…いるから。どこにもいかないから…」



そう言いあたしは 

瑞樹にキスをした。 




「…温もりは伝わるもんなんだな。目が見えなくても…この暖かさが亜希だって分かるよ…」 





まだ瑞樹は 

目を瞑ったままだけど 




あたしの顔は 

涙でぐちゃぐちゃだった 




「…亜希…泣いてる?」

「…なんで分かるの?」

「愛のパワーだよ、ばーか!」 



見えないのに 

瑞樹は立ち上がって 

目を瞑ったまま 

あたしを後ろから 

抱き締めたんだ 




…愛のパワーなのかな?  





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