LOVEMEMORY
「じゃ、今日は帰るねっ♪ありがとう。二人とも」
「あ…送るよ」
「ううん、大丈夫」
あたしは聖也を避けた
聖也だからこそ
聖也…のこと
好きになるのが怖い
「亜希」
「ケイゴ?どうしたの」
ケイゴが持ってたのは
あたしの家の鍵だった
「廊下に落ちてた」
「あ、ありがとう」
「なぁ…あいつのこと…避けてんだろ」
「…うん」
「何で」
「恋しそうなんだ…聖也に」
「…ふぅん、すれば?」
ケイゴは少し笑った
「…」
「あ、スキャンダルとか?大丈夫だろ」
「…うん」
ケイゴ
そうじゃないの
たしかに聖也が好き
だけど
瑞樹でも聖也でもない
誰かが
本当のあたしの
好きな人なのに
その人がわからない