俺様外科医の極甘プロポーズ

家に着くと、先生は帰っていなかった。冷え切った室内で私はぶるっと体を震わせる。
寒い。体だけじゃなく、心まで冷えてしまいそうだよ。

私は自分を落ち着かせるために熱いシャワーを浴びた。髪を乾かし、部屋着に着替える。そのついでにクローゼットに先生のスーツをそろえておいた。

明日先生は学会に行く予定だ。発表原稿を遅くまで作っている姿を見てきた。真剣に取り組んできた成果を発表する日の前日に、遅くまで遊び歩いていていいはずがない。

私はコーヒーを入れるとマグカップをもってリビングのソファーに座った。

時計に針は午前二時を指している。私は立ち上がり窓の外を見た。

それから玄関先までいって先生の足音がしないか耳をそばだてる。

それを交互に繰り返したけれど、夜が明けても先生は帰ってこなかった。

「先生、どうしちゃったんだろう」

 どうもこうもない。おそらく昨日の夜はあの女性と一緒にいたのだろう。

 今日先生は学会に出ることになっていて、職場に行っても会うことはない。携帯電話もつながらない状態では、問い詰めることさえできない。

「ああ、もうこんな時間!」

慌ててメイクをして私服に着替えると、病院へ向かった。


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