俺様外科医の極甘プロポーズ

 閉会後の懇談会はすべて欠席にして東京行の新幹線に飛び乗った。

携帯を見ても、花村からの返事はない。


怒っているのか、はたまた泣いているのかはわからないが、彼女を傷つけてことには変わりない。

誠心誠意謝罪する以外許してもらう方法はないだろう。

品川駅に着いたのは六時半。俺は病院へ向かい、病棟で花村を探した。

「おつかれさま。変わりなかった?」

「先生おかえりなさい! はい。特には」

「花村さんは?」

「花村ならもう帰りましたけど?」

 ナースステーションにはもうすでに日勤帯の看護師の姿はない。外科医が学会で出払っているとオペの予定もなく病棟は静かだ。

「そうありがとう。これお土産。みんなで食べて」

 名古屋駅で買ってきたお菓子の箱を手渡す。

「わあ、ありがとうございます!」

「じゃあ、また明日」

 患者のことも気にはなるが、それは当直の医者に任せよう。俺は病院を出ると急いでマンションへと戻った。

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