俺様外科医の極甘プロポーズ
「りさから電話をもらった時、この人とっても喜んでいたのよ。孫の顔が見られるな、なんて気の早いことを言ってね」
「おい、おまえ」
「壱也さん。りさをよろしくお願いします。ほら、あなたからもお願いしてくださいな」
いいながら隣にいる父親を肘でつつく。すると俺をまっすぐにみつめてコホンとひとつ咳払いをする。
「……娘をよろしく頼む」
いまにも泣きだしそうなその顔を見て、俺はこの人たちにとってどれほど大切なものを欲しいと言ったのかを悟った。
「ありがとうございます。全身全霊をかけて、りささんを幸せにします」
帰りの新幹線中で、花村は静かな寝息を立てていた。俺は自分の上着をそっと彼女にかけてその横顔をじっとみつめる。
下がった眉毛に奥二重の目。丸い鼻に小さな唇。絶世の美女というわけではないけれど、愛嬌があってかわいらしい。喜怒哀楽をすぐ顔に出すところとか、部屋が暗いと眠れないところとか、キスの時になぜか息を止めていることとか、全部いとおしくて仕方がない。
さっき俺は、彼女を幸せにするといったけれどそれはきっと間違いなのかもしれない。りさの存在が俺を幸せにしてくれる。だから彼女と一緒にいたいのだ。
「おい、おまえ」
「壱也さん。りさをよろしくお願いします。ほら、あなたからもお願いしてくださいな」
いいながら隣にいる父親を肘でつつく。すると俺をまっすぐにみつめてコホンとひとつ咳払いをする。
「……娘をよろしく頼む」
いまにも泣きだしそうなその顔を見て、俺はこの人たちにとってどれほど大切なものを欲しいと言ったのかを悟った。
「ありがとうございます。全身全霊をかけて、りささんを幸せにします」
帰りの新幹線中で、花村は静かな寝息を立てていた。俺は自分の上着をそっと彼女にかけてその横顔をじっとみつめる。
下がった眉毛に奥二重の目。丸い鼻に小さな唇。絶世の美女というわけではないけれど、愛嬌があってかわいらしい。喜怒哀楽をすぐ顔に出すところとか、部屋が暗いと眠れないところとか、キスの時になぜか息を止めていることとか、全部いとおしくて仕方がない。
さっき俺は、彼女を幸せにするといったけれどそれはきっと間違いなのかもしれない。りさの存在が俺を幸せにしてくれる。だから彼女と一緒にいたいのだ。