俺様外科医の極甘プロポーズ
昼休みが終わり、病棟に戻ると私は午後の検温の準備を始める。
初日の今日の担当患者は四人だ。病棟のことを覚えつつ徐々に慣れて行ってくれたらいいからという師長の配慮だった。
「花村さん、午後の仕事は大丈夫?」
「吉野師長。今から検温に行こうと思っていました」
「あら、そう」
吉野師長は今年四十歳になる若い師長だ。
どこか憂いのある和風美人で女の私でも見つめられるとドキリとする。聞いた話によると、まだ結婚はしていないらしい。
十年前に柏瀬病院に転職してきて、ずっと内科一筋だ。
それ以前は私と同じように大学病院でバリバリ働いていたという。いまの彼女にバリバリというイメージはまったく感じられない。
「終わったら報告頂戴ね」
「わかりました」