俺様外科医の極甘プロポーズ
有料パーキングに車を止めるとそこから歩いて店まで向かう。
老舗ブランドの路面店は、その前に立つだけで気後れするほどの高級感を放っている。
「いらっしゃいませ」
天井まである大きなドアを開けてもらい中に入ると黒のスーツを着た女性の店員さんが出迎えてくれた。
「柏瀬様。本日はご来店いただきましてありがとうございます。おっしゃっていただければ、お好みのものをお探しいたしますよ」
「はい。ありがとうございます。でも自分で探してもいいですか?」
「もちろんです」
どんな指輪が欲しいかなんてうまく言葉にできる自信がない。とにかく私は自分の目で見たかった。
「壱也さん、いい?」
「いいよ。いろいろ見て決めよう」
私はショーケースの中の指輪をじっくりと見て回った。先生は飽きることなく私のそばにいてくれる。