俺様外科医の極甘プロポーズ
私はドアを開けた。すると廊下にいる人物と目が合った。
「壱也さん!」
間違いなく壱也先生だ。助けに来てくれた。でもどうして?
「りさ!」
先生は私を包み込むように抱きしめると、その腕に力を籠める。
「無事か?」
私は首を縦に振った。
「そうか、よかった。間一髪、間に合ってよかった」
先生はそう言って、安堵のため息を吐く。
「もっと早く来てやれなくてごめんな」
「いいんです」
悪いのは私だ。
「ごめんなさい、壱也さん。私、壱也さんに黙ってこんなとことしてしまいました。ほんとうにごめんなさい」
「りさは悪くない。悪いのは全部この男だよ」
先生の視線の先には晴也先生がいるのだろう。
私は怖くて顔を上げられなかったけれど、二人が対峙しているのは気配で分かった。