俺様外科医の極甘プロポーズ

十八時。私は約束通り通用口で先生を待っていた。五分ほど過ぎて先生が走ってやってくる。おそらく急いで山積みの業務を片付けたのだろう。そんなに慌てなくても、私はどこにもいかないのに。

「ごめん、遅れた」

「大丈夫ですよ。まだ五分だけ過ぎただけですし」

「その五分が命取りになる場合もあるだろう」

 ここ数日、先生はとても神経質になっている。あんなことがあったから無理もないとは思うけれど、私以上にピリピリした様子を見ていると申し訳ない気持ちになる。

私の軽率な行動のせいで、先生を変えてしまった。

「ごめん、変だよな俺。じゃあ、行こうか」

 先生の車に乗り込む。行き先を告げずに車を走らせていく。着いたのは先生のマンションだった。
なんだ、一緒に帰ろうってことだったのね。なにかあるのかななんて、期待しすぎだ私。自嘲気味に笑うとそれを見ていた先生が不思議そうな顔をする。

「りさ、どうしたの?」

「いえ、なんでも。一緒に家に帰るのもひさしぶりですね」

「そうだね」

 夕ご飯は何を作ろう。だなんて考えながら玄関のドアを開けた。すると、廊下がバラの花びらで埋め尽くされている。

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