俺様外科医の極甘プロポーズ
「おいでりさ」
差し出された手を握ると、先生は私をいざなうようにしてリビングへと歩いていく。ドアを開けると目の前に飛び込んできたのは、英語で結婚してくださいと書かれたバルーンと、大きなケーキ。
「壱也さん、これは?」
「りさ。改めて僕と結婚してください」
壱也先生はおもむろに跪くと小さな箱を取り出した。
「予約した指輪完成したんだよ」
それは一緒に選んだ婚約指輪。先生は私の左手の甲にキスをすると薬指に指輪をはめた。
「きれい」
「うん、きれいだ」
「ありがとうございます。いつの間にこんな準備を?」
「仕事を中抜けして用意したんだよ。そもそも今日の午後は非番だったんだし仕事に戻る必要もなかったんだけど」
その行動力も、非番なのに仕事をしてしまうまじめさも全部大好きだ。
「先生らしいですね。でも、どうして今日なんですか?」
不思議に思い首をかしげる。
「それは、もう待てないと思ったから」
「待てない?」
「ああ。あんなことがあって、君を放っておくことができなくて、そう考えたらすぐにでもりさを自分のものにしたくて、それで婚姻届けももらってきた」
いつになく性急に話を進める先生に私は困惑する。