俺様外科医の極甘プロポーズ
私がすべてを話し終えると、壱也先生は「悪かったな」と頭を下げた。私は驚いた。恐縮したといった方が正しい。
「そんな! 先生は悪くないです」
「いや。結果的にお前を巻き込んでしまった。だから俺のことはいくら悪く言っても構わない。どうせ本心だろ?」
言いながらにやりと笑って見せる。私は否定するように首を横に振った。
「そんなことありません! 先生はいい人です」
「……いい人ね」
先生は複雑な顔をした。なにかおかしなことを言っただろうか。いや、言ってないはずだ。
「そうですよ。いい人ですよ! だからみんなにも本当の壱也先生を知ってもらえるように頑張ります!」
「頑張るって誰が?」
「それは、私が!」
「それは無理だろうな。副院長とお前、今の院内で影響力を持っているのがどっちかなんてバカでもわかる」
「バカって、そんなはっきり言わなくてもいいじゃないですか!」
私は少しむっとして、唇を尖らせる。