俺様外科医の極甘プロポーズ

未経験のくせに耳年増なのは、経験談を赤裸々に告白する人の多さ故。

病院の休憩室では、昼間から夜の営みの話題も平気で飛び交っている。医療従事者が“シモ”の話にオープンなのは私の職場だけではないはずだ。おかげで、セックスのいい話も悪い話も同じくらい知っている。

「信じてもらわなくても結構です!」

 私は拗ねたように顔をそむける。

「悪い悪い、冗談だって。初めてなんだよな。大丈夫、全部俺に任せておけばいいよ」

 いいながら先生は私をベッドに押し倒す。ひやりとしたシーツの感触に、私の鼓動は大きくはねた。どうしたらいいのだろう。先生を満足させなくていいからといって、安心なんてできない。

ゆっくりと先生の顔が近づいてくる。

二度目のキスはさらに濃厚で息を吸うタイミングすらわからなかった。同時に胸をもまれて、酸欠と混乱で頭がぼうっとかすむ。そんな私の服を、先生は器用に脱がせてく。あっという間に下着に手がかかる。

「待ってください」

「待たない」

恥ずかしさに手で顔を覆うと、顔が見えないと言って振り払われる。

 私は緊張で泣きそうになりながら、きつく目を閉じた。暗闇の中で、先生の声が聞こえる。

「好きだよ、りさ」

先生は私の上に覆いかぶさった。肌と肌が重なるとたとえようのない安心感に満たされる。先生の鼓動が直接伝わる。

ああ、なんだ。どきどきしているのは私だけじゃないじゃないか。

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