俺様外科医の極甘プロポーズ
翌朝目を覚ますと時計の針はもうすでに六時半を指していた。
隣には静かな寝息を立てている先生がいる。キングサイズのベッドは二人でもゆったりと眠れるスペースを確保できる。
それなのに、わざわざ私を抱き寄せたまま、こんなベッドの端で眠っていたなんて。なんだかかわいい。
けだるい体を起こしてバスルームに向かう。歩くたびに感じる違和感。
私は昨日初めて男の人に抱かれた。こんな年齢になるまで守り続けてきた処女を突然捨て去ることになって、当然戸惑いはしたけれどまったく後悔はなかった。
顔を冷水で洗って鏡を見ると、胸元に赤い跡がいくつかついている。先生は女性に執着しないような人だと思っていたけれど、本当は違うのだろうか。
何度も私を「好きだ」と言ってくれた。何度も。だけど、私はまだ自分の気持ちがよくわからない。わからないけれど、昨日の行為は嫌ではなかった。
決して雰囲気に流された訳でもない。自分で受け入れると決めた。
後悔は全くない。初めては好きな人と――そう思っていたけれど、人生って、本当になにが起こるかわからないものだ。