俺様外科医の極甘プロポーズ
4.先生のお気に入り
先生と暮らすようになってからひと月以上が経った。
捻挫した足はよくなり、骨折した足は、加重を許されるまでになった。日常生活は若干の不便はあるもののほぼ元通りといえる状態にまで回復した。
先生は自宅療養中も事務仕事をこなしにはたまに病院へ出向いて仕事をしていたとはいえ、完全な仕事復帰がようやく許されたのだ。私は快気祝のディナーを作ることに決めた。
仕事帰りにスーパーに行き、カートに買い物かごを乗せた。
精肉売り場で牛の塊肉。ワインコーナーでお肉に合うワインとシャンパンをセレクトしてもらう。あとは付け合わせの野菜やフルーツバゲットも買った。急いで先生のマンションに帰ると、短時間で仕上がるローストビーフのレシピをもとに、調理に取り掛かる。
ここに暮らしてひと月ほどだけれど、冷蔵庫の中身は驚くほど充実したし調味料もたくさん増えた。
先生との生活だって、ようやく慣れてきたというのに、看護をする必要でなくなった今、私がこの部屋にいる意味もなくなる。ようやく解放されるというのに、どうしてだろう。少し寂しい。