俺様外科医の極甘プロポーズ
「……私のせいで、すみません」
「くっついた骨がまた離れたかも」
先生はそう言って、私の方を向くように体を横に向けた。
「ええ! どうしよう」
うろたえる私をみて、先生はくくっと喉の奥を鳴らした。
「嘘だよ」
嘘なの!?本気で心配しちゃたじゃない。
「……もう。ひどい」
私はぷいと顔をそむけた。先生は「ごめんごめん」と言って私の機嫌を直そうとする。
「悪かったよ。冗談だ。俺的にはこの足よりも、りさのことを心配してる」
「……私ですか?」
「ああ。俺のせいであんなことになって、つらかっただろ。すまなかった」
先生は申し訳なさそうに目を伏せる。
「あれは先生のせいじゃありません」
「そうだろうか。……どちらにしろ、あいつらみんな首だな」
口調こそ軽かったが、本気でやりかねない。そんな顔にみえる。
「ダメです! それだけは、やめてください。看護部長が注意してくれたおかげで先生のことを避けるスタッフはいなくなったはずです」
「……でもりさが、」
「私は平気です!」
「そんなになるまで飲んでいたくせに? 飲まずにはいられなかったんだろ? 説得力なさすぎだぞ」
「アハハ……ばれました?」
つらくなかったわけがない。先生の言う通りだ。私はお酒に逃げた。逃げずにはいられなかった。