俺様外科医の極甘プロポーズ
4.5俺のかわいい人
はっとして目が覚めた。
「そうだ、俺……」
まだぼんやりとした頭で記憶の糸をたどる。
昨日の夜、いつまでたっても帰宅しない花村のことが心配になり、必死で探し回った。病院、彼女のアパート、駅周辺の店。なかなか見つからず、たくさん歩いたせいで治りかけの足が痛んだ。
そうだ。ここは勢いで飛び込んだラブホテル。花村と話をしている最中に俺は睡魔に負けて眠ってしまった。
そっと横を見ると、花村は半分口を開けた状態で寝ている。
「ずいぶんと、幸せそうな顔で寝てるんだな」
彼女の表情をみて、俺はほっと胸をなでおろす。もし寝顔まで悲しそうだったら、事務長に電話をかけて外科病棟の看護師全員を解雇するつもりでいた。
でもそんなことをしたら彼女は怒るだろう。いや、悲しむかもしれない。それだけは絶対に避けなければならない。
俺は、花村を守りたい。そんな風に思えた女性は彼女が初めてだった。