高校生夫婦はじめました。
4月25日(水) 時任家の朝の風景
「知佳。醤油取って」
「はい」
彼は私からお醤油の瓶を受け取ると、目玉焼きの上でそれを傾けた。ぽたたっと勢いよく落ちる醤油の粒。いつものことながら、彼の手つきがあまり慎重ではなかったので、私は彼が真っ白なシャツを汚しはしないかと不安になる。
ハラハラして、お箸を手に持ったままじっと見つめていると、目が合った。切れ長の目と涼しい目元。高い鼻梁に薄い唇。常にテンション低めの落ち着いた顔が、まだ眠そうな表情で私に話しかけてくる。
「早く食べないと遅刻する」
「あ、うん」
……いや。いやいや。
よくよく考えれば、誰かさんがもっとすんなり目覚めてくれさえすれば、もう少し時間に余裕があったはずなんですけど。
朝、なかなかベッドの中から起きてこない彼を起こすのには骨が折れる。単に“寝起きが悪い”ということだけではなくて……最近の彼は、手癖も悪い。手というか、口?
(……まだジンジンしてる)
さっき、彼に思いっきり吸われた胸の先に意識をやる。今朝はベッドに押し倒され、制服を脱がされた。最後まですることは阻止したけど、体はすっかりその気にさせられてしまって。行き場のないもどかしさに、テーブルの下で太股を擦り合わせる。
「知佳」
「……なに?」
「さっきの約束、絶対だからな」
わかってるってば。
「はい」
彼は私からお醤油の瓶を受け取ると、目玉焼きの上でそれを傾けた。ぽたたっと勢いよく落ちる醤油の粒。いつものことながら、彼の手つきがあまり慎重ではなかったので、私は彼が真っ白なシャツを汚しはしないかと不安になる。
ハラハラして、お箸を手に持ったままじっと見つめていると、目が合った。切れ長の目と涼しい目元。高い鼻梁に薄い唇。常にテンション低めの落ち着いた顔が、まだ眠そうな表情で私に話しかけてくる。
「早く食べないと遅刻する」
「あ、うん」
……いや。いやいや。
よくよく考えれば、誰かさんがもっとすんなり目覚めてくれさえすれば、もう少し時間に余裕があったはずなんですけど。
朝、なかなかベッドの中から起きてこない彼を起こすのには骨が折れる。単に“寝起きが悪い”ということだけではなくて……最近の彼は、手癖も悪い。手というか、口?
(……まだジンジンしてる)
さっき、彼に思いっきり吸われた胸の先に意識をやる。今朝はベッドに押し倒され、制服を脱がされた。最後まですることは阻止したけど、体はすっかりその気にさせられてしまって。行き場のないもどかしさに、テーブルの下で太股を擦り合わせる。
「知佳」
「……なに?」
「さっきの約束、絶対だからな」
わかってるってば。
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