高校生夫婦はじめました。
「正臣」
「ん?」
「このままぎゅってしてみて」
私を見下ろす目が丸くなる。そんなに驚かせるようなことを言ったつもりはなかったので、焦って弁解する。
「全身で触れたほうが慣れるかなと思って! ほら、動物のスキンシップもそんな感じだし、くっついたほうが――――んむっ!」
なぜか、黙らせるようなキスをされた。正臣は一回私の唇を強く吸って、切なそうに目を細めると私の背中とベッドの間に腕を差し込み、私の体を抱いた。上体の素肌全部を触れ合わせるように擦り付け、くっつけ、優しく抱き込まれる。
予想していた通り、それはとても温かくて気持ちよかった。
柔らかな部分と硬い部分が触れ合って、揉み合って、形が崩れてまた元に戻る。そんな動きを繰り返しながら正臣は私の耳の中を舐めたり、首筋にかぶりついたりした。
「わ、ちょっ……正臣っ!」
「知佳……かわいい。もっとさせて」
裸で抱き合って、肌の匂いや感触を堪能しながら全身を愛される。恋人同士の触れ合いって、なんとなく体を繋げることで気持ちよくなるイメージを持っていたけど、そうじゃなかったのか……。
触れる手も、唇も。程よくかかる体重も、息遣いも。
正臣がくれるものは全部心地いい。