高校生夫婦はじめました。

彼は布団の中に潜り込んで私の上を陣取った。

「準備できた。知佳」
「……はい」

布団の中で、裸で、正臣が私の上にいる。
私は口を変な形に結ぶ。

「怖い?」

正臣はおでこ同士をくっつけながら、心配そうに尋ねてきた。最初からこんな風に気遣ってもらっているお陰で、思っていたほどは怖くない。でもこれから何が起こるのかは、正直まだよくわかっていない。痛い? 気持ちいい? どんな感じ? ――――どんな感じでもいいか。

正臣と一つになることが、一番大事だ。

「怖くないよ」
「痛かったらすぐ言えよ。途中でも止めるし。……可能な限り」


なんだかちょっと不安が残る言い方をされて――――そして、私たちは結ばれた。
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