高校生夫婦はじめました。


*



正臣の疲れ果てた体の重みを全身に感じながら、“彼と最後までした”という実感が込み上げてくる。照れ臭いけど、それ以上に満たされた気持ち。またひとつ、正臣と特別な関係を築いた達成感。

しばらくして息も絶え絶えな正臣が、気だるそうな体を気力で浮かせて私の顔を見る。少し心配そうに、不安を覗かせて。

「……ごめん。最後のほうはちょっと……理性飛んでたかも。平気?」
「うん……なんか……すごかったね……」
「……その感想は恥ずかしいからやめてくれ」

正臣はごろんと隣に寝そべって、首を伸ばして顔を覗き込んでくる。正臣らしい、いつもの読めない笑い方で。

「これからもよろしく」
「……こちらこそ」

そして、私たちはもう一度、覚えたばかりのキスをした。



――いとも簡単に、「嫁に来る?」って言って私に居場所をくれた。こんな若いうちに結婚なんて、この先たくさん苦労することは目に見えているのに。それでも私と夫婦になることを選んでくれた。

優しいこの人に、私は何を返せるだろう?





未熟な二人ではございますが、
今後ともよろしくお願い申し上げます。
< 65 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop