高校生夫婦はじめました。
お母さんの事故死を聞かされて、葬儀までの間のことは、正直あまり記憶がない。私はずっと泣いていた。お母さんの死を知った直後は泣き喚き、一夜明けてからは声を出さずにはらはらと泣き続けた。
まだ高校生で、あまつさえ気が動転していた私に事務処理ができたはずもなく、お葬式は親戚の手で回されることになった。その間、出席してくれた正臣が隣についてくれていたけれど、私はやっぱり、ただただ涙を流すだけだった。
こんな理不尽なことってある? ――というのが、そのときの私の心情。
私は確かに幸せだった。でもお母さんは、ものすごく苦労していた。遅い時間まで働いていたことだってそうだし、私がまだ小さかった頃、お迎えに来るのも大変だったことを知っている。絶対に大変なのに笑って乗り越えていたところも含めて、私は強くて格好いいお母さんに憧れていた。
ラクをしている人から奪ってもいいというわけじゃない。だけど、一生懸命生きていた人から奪う理由は何だろう。なんでお母さんが死なないといけなかったんだろう。
納得のいく答えなんて出せるはずがないと知っていて、私は堂々巡りをやめられなかった。学校にも行かずに自分の家に塞ぎ込んで、心配して様子を見に来てくれた先生の話を聞き流し、やり過ごすように生きること数日。
その間も、隣にはやっぱり正臣がいた。
まだ高校生で、あまつさえ気が動転していた私に事務処理ができたはずもなく、お葬式は親戚の手で回されることになった。その間、出席してくれた正臣が隣についてくれていたけれど、私はやっぱり、ただただ涙を流すだけだった。
こんな理不尽なことってある? ――というのが、そのときの私の心情。
私は確かに幸せだった。でもお母さんは、ものすごく苦労していた。遅い時間まで働いていたことだってそうだし、私がまだ小さかった頃、お迎えに来るのも大変だったことを知っている。絶対に大変なのに笑って乗り越えていたところも含めて、私は強くて格好いいお母さんに憧れていた。
ラクをしている人から奪ってもいいというわけじゃない。だけど、一生懸命生きていた人から奪う理由は何だろう。なんでお母さんが死なないといけなかったんだろう。
納得のいく答えなんて出せるはずがないと知っていて、私は堂々巡りをやめられなかった。学校にも行かずに自分の家に塞ぎ込んで、心配して様子を見に来てくれた先生の話を聞き流し、やり過ごすように生きること数日。
その間も、隣にはやっぱり正臣がいた。