最弱救世主とドS騎士

でも流れ的に冗談じゃないみたい。

「リアム。私はリナを妃にもらおうと思ってる。騎士団長の意見はどうだろう?」
挑戦的にアレックスは大きな声を出している。

だから
どうしてそこでリアムなの?
パクパクと口が金魚になってしまう。
酸素が欲しい。
どうしてこの展開になるの?

私もジッとリアムを見つめる。

リアムは「王様の心のままに」と言って、背中を向けてホールを出て行ってしまった。

リアム……いいの?
それでいいの?
やっぱり私の事なんて
何とも思ってなかったの?

呆然と立ちすくんでいたら
目の前にアレックスがひざまずく

「結婚してくれるかいリナ?」

誕生日に王様にひざまずかせ
プロポーズされて
断ったら
恥をかかせてしまう

もしかしたら
国外追放されて
生きたまま獣虫のエサにされるかもしれない。

どっちにしろ
王様の命令は絶対だろう。

私は「はい」と小さく返事をして

歓声に包まれた。

もう
どうにでもなってしまえっ!!!


< 105 / 236 >

この作品をシェア

pagetop