最弱救世主とドS騎士
「俺の為と言ったら怒るか?」
大好きな人の真剣な表情と声に、酔ってしまいそうな自分がいる。
「ずっとそばに居て欲しい。王の婚約者とわかってる。大切な我が国の救世主というのもわかってる。でも俺は……リナを愛してる」
「リアム」
「全てを捨てていい。リナが欲しい」
甘いキスが降りてきた。
「愛してる」
彼の甘い声と唇を味わう。
「誰にも渡したくない。俺だけのリナでいて欲しい」
胸元のボタンがひとつずつ外されて
大きな手が素肌を包む。
「嫌か?」
不安そうな子供のような声。
俺様ドSな騎士団長らしくない声に笑ってしまう。
嫌なわけがない。
私も愛してる。
心から愛してる。
「リアムが大好き」
「後悔しないか?王への反逆罪に当たるぞ」
「リアムは後悔する?」
「このままリナを手放す方が後悔するだろう。俺のリナは誰にも渡さない」
「私も後悔しないよ」
ずっと一緒だよ。
ずっとずっと
あなたと一緒にいたい
何があろうと離れたくない。