最弱救世主とドS騎士
彼の手を捜して
そっと指を絡めてみる。
彼の左小指の付け根にあるのは銀の指輪。
この世界では
結婚している人はもちろんだけど、普通に男性も指輪を着けている人が多い。魔除けの意味があるらしい。
「どんな意味があるの?やっぱり魔除け?」
「これは母の形見だ」
「お母様の?」
「白百合の花が刻まれている」
リアムは指輪を外して私の右手を優しく取り、それをそっと私の中指に収めた。
「ダメだよそんな大切な形見」
指から外そうとすると
また抱き寄せ
私の首筋に甘いキスをする。
「受け取ってほしい」
「でも……」
「母にリナを守ってほしい。もちろん俺も全力で守る。自分の命に代えてもリナを守る」
命に代えてなんて
そんな不吉な事を言わないでほしい。
情けない顔でリアムの顔を見ると、彼は優しく笑顔を見せた。
「フレンドと同じ顔をしている」
「えっ!」
あの泣き虫甘ったれドラゴンと?
「両方可愛い」
あぁ本当にズルいよ
いつもの厳しい顔なのに、ベッドの上ではこんなに甘くて優しいなんて。
「愛してる」
「私も」
ずっとずっとこの幸せな時間が続きますように
物語の終わりがハッピーエンドで終わりますように。