最弱救世主とドS騎士
「来てたのか」
アレックスは私達を見るとシルフィンに合図をし、シルフィンは笑顔を見せてアレックスの後ろに立って、あっという間の瞬間移動。
王様と少女はスクリーンの向こうから簡単に現れたように、リアルに私達の前に立つ。
ジャックが一歩下がり膝を着いて頭を下げるので、私も真似して頭を下げる。
「私に頭を下げる仕草は、リナには似合わない」
アレックスはそう言って笑い、その声に反応してフレンドは目を開け、王に甘えてまとわりつく。フレンドは本当にアレックスが大好きだ。
「お仕事の邪魔してごめんなさい」
「いいんだ。少し休まないと、私もシルフィンも倒れてしまう」
「私は大丈夫です。でもリナ様に会えて嬉しいです。わぁ綺麗なバラですね」
ジャックからもらったバラをシルフィンが見つめる。
「ジャックに出してもらった。シルフィンにも出してくれる?」
さっきの告白が頭に残ってるのか、ジャックも私もシルフィンを前にしてテンションが上がってしまう。
「もちろん」
ジャックは気合を入れて腕を上げ、白いバラを2本宙から出してシルフィンのツインテールの髪にそっと挿す。
艶のある黒い髪に、白いバラはとてもよく似合っていた。
ジャックの愛を感じてしまう。
うっとりとその様子を見ていると
アレックスは「我々は邪魔かな。散歩に行こうかフレンド」と言い、私の腕を引っ張ってフレンドに乗せて、自分もそのまま私を後ろから抱きしめる体制で乗り込んだ。
フレンドは大喜びで急上昇。
急上昇はやめてーー!まだ慣れてないんだから!
フレンドのたてがみに必死にしがみついて空の散歩。
それはそれは
とっても美しい景色を下界に見ながら
アレックスは私に急接近して耳たぶを甘噛み。
フレンドの背中でこんなことしてると
嫉妬で落とされたら困るよ。