最弱救世主とドS騎士
「友情のハグとみていいでしょうか?」
その腕の中
恐る恐るアレックスに聞くと笑われた。
「もしリアムが行動に出なかったら、本気でリナを妃にもらおうと思っていた」
「えっ?」
「美味しいワインをありがとう。さぁ今日は疲れたろう、もうそろそろリアムも帰って来る。決戦の前にリアムとリナの挙式をしようか?」
「挙式は勝利の後のお楽しみにします」
「そうか」
などとアレックスに宣言したけど、リアムと結婚の約束ってしたっけ?先走った返事に照れてしまう。
「リナ」
「はい」
「やっぱり私の妃になるか?」
「アレックス」
「何だい?」
「胸元にキスマーク付いてますけど」
「えっ?いや……虫?虫かな?」
アハハと乾いた笑いをして私の身体を離すアレックス。この国の王様がたらしだったのを忘れていた。この忙しい中、おねーさんと遊ぶのは忘れてないのか。さすがだ。
「まだ遊びたいから結婚はしない」
サラッと言われて私はクスッと笑う。
素直な王様だ。
しばらく結婚はないらしいよ。よかったねシルフィン。
「おやすみ」
軽く頬にキスされたと思ったら、私の身体は瞬間移動で自分の部屋に戻ってしまった。
アレックス
言霊は絶対あるよ
私は信じてる。