最弱救世主とドS騎士

「友情のハグとみていいでしょうか?」
その腕の中
恐る恐るアレックスに聞くと笑われた。

「もしリアムが行動に出なかったら、本気でリナを妃にもらおうと思っていた」

「えっ?」

「美味しいワインをありがとう。さぁ今日は疲れたろう、もうそろそろリアムも帰って来る。決戦の前にリアムとリナの挙式をしようか?」

「挙式は勝利の後のお楽しみにします」

「そうか」

などとアレックスに宣言したけど、リアムと結婚の約束ってしたっけ?先走った返事に照れてしまう。

「リナ」

「はい」

「やっぱり私の妃になるか?」

「アレックス」

「何だい?」

「胸元にキスマーク付いてますけど」

「えっ?いや……虫?虫かな?」
アハハと乾いた笑いをして私の身体を離すアレックス。この国の王様がたらしだったのを忘れていた。この忙しい中、おねーさんと遊ぶのは忘れてないのか。さすがだ。

「まだ遊びたいから結婚はしない」
サラッと言われて私はクスッと笑う。
素直な王様だ。
しばらく結婚はないらしいよ。よかったねシルフィン。

「おやすみ」
軽く頬にキスされたと思ったら、私の身体は瞬間移動で自分の部屋に戻ってしまった。

アレックス
言霊は絶対あるよ

私は信じてる。

< 148 / 236 >

この作品をシェア

pagetop