最弱救世主とドS騎士

身体中の力が抜ける
闇よりも深く暗い
絶望というものを知る。

一刻も早くリアムに駆け寄りたいのに、フレンドの尻尾は魔王に捕まってしまい動けない。

その恐ろしい顔が私に近寄り
吐く息がかかるほどの距離となる。

どんよりした土気色の肌に血走った黒い瞳。
さっきまでの粒子の固まりが、リアムの赤い矢によって実体化した。

「ほぅ……お前はこの世界の者ではないな。おもしろい」

「リアムの仇!お前にこの国は滅ぼせない。滅びるのはお前の方だ!」

力を抜いてる場合じゃない!
ここまでの努力を忘れちゃダメでしょう。

リアムの想い
アレックスの想い
皆の想いが沢山この魔法の剣に詰まってる。

負けるかもしれない
ダメかもしれない
死ぬかもしれない

でも
精一杯やらないと死んで後悔するのは私だ。
リアムに怒られる。

総務部勤務 27歳
宮本里奈をなめんなよ!




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