最弱救世主とドS騎士

自分にある全ての力を込め立ち上がり
両手の中指の指輪にキスをした。

見守って下さい!

私は剣を強く握り
フレンドの背からジャンプして魔王の目に突き刺した。

魔法の剣なら勝てるはず
だって私は救世主!

突き刺した目からドロドロと血が流れ、魔王は空が割れるほどの悲鳴を出して倒れて全て解決ハッピーエンド……って思っていたら


私の攻撃は虫にも劣るというのか

魔王は鼻を鳴らして、親指と人差し指で突き刺した剣共々私を目から離して苦笑いする。

痛くも痒くもないの?
だってこれ
魔法の剣だよ
私救世主だったはずだけど……やっぱりポンコツだった?
あまりにも無反応って何?
毒は後から回りますってタイプ?でもなさそうだな。

ぜんぜんダメじゃん私!!!

「おもしろいくらい弱いな」
敵に笑われてしまった。
落ち込みが半端ない。
ごめんリアム。

「このまま私を殺していいよ。でもこの国と国民は助けて!異世界の女を殺しておしまいでいいじゃない」

私が叫ぶと地上で何やら言っている。

もういいよ
リアムも死んでしまったし

私が犠牲になってやる!
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