最弱救世主とドS騎士
『その砂時計が落ちるまでに決めろ。時間までに決断ができなけれな、その場で八つ裂きだ』
いつの間にかテーブルに大きな砂時計が置いてあった。
砂時計はアンティークショップで見たことがあるけれど、こんなに大きな物は見たことがなくて、それが最後の一砂が落ちるまでの時間が感覚的にわからない。
不快な笑い声を最後に魔王の声は途切れ
アレックスとジャックとシルフィンと私はテーブルに集まった。
その銀の砂時計は1mぐらいの高さがあって、サラサラと黒い砂が落ちていた。
「選択権はないな。本物のリアムを見つけなければ、国は亡びる」
アレックスの重い声がのしかかる。
本物のリアム……って……。
私は座り込む二人のリアムをジッと見る。
どこから見ても
二人ともリアムだし。
「少し話をしようか」
不安で胸が押しつぶされそうな私を誘導し、私達は距離を置いてリアム達に近寄る。彼らもわかっているようで、その場で私達を疲れた顔で見つめてる。正直……見分けがつかない。
あれほど
愛してるとか
リアムとずっとこの世界に居るとか
散々言ってたのに
自分の恋人もすぐわからないなんて
思いっきりのポンコツで情けないです私。
落ち込んでしまう。
「王ならわかりますか?」
シルフィンがアレックスに聞く。
子供の頃からずーっと一緒に育ってる仲だから、私よりわかるかもしれない。