最弱救世主とドS騎士
「いや、確証はないから、今度は三人で話したい」
「もう時間はないぞ」
アレックスの顔が青白い。
ごめんねアレックス
もう少し
もう少しだけ時間を下さい。
「砂時計が終わるまでになんとかする。でも心配なことがひとつある。さっきの闘いを思い出してほしいのだけど、リアムが魔王の動きを封じ込んで、私がこの魔法の剣で魔王の目を突き刺したんだよ。しっかり間違いなく突き刺した。でも、魔王は軽々と剣をつまんで私ごとポイした。つまり、この魔法の剣は効かないかもしれない」
一気にアレックスに言ってみると、アレックスは深く息をしてから私を見た。
「さっきは、何か足りなかったかもしれない」
「何かって?」
「わからないが、今度はわかると思う」
またそんな意味不明な事を言う。
不安になってたら急に左の中指が熱を浴びたように熱くなった。
慌てて左手を見ると
王妃様からもらった赤い珊瑚の指輪が光っている。
アレックスもジャックもシルフィンも私も、指輪を見てから互いの顔を見合わせた。
この世界に私を呼んだ
王妃様に背中を押された気分。
「時間がありませんリナ様」
ジャックに言われて背筋を伸ばし、二人のリアムに私は呼びかけた。
「最後に三人で話をしましょう」
左右のリアムと私は砂時計の前にトライアングルの形を作り、命を賭けた最後の話し合いを始める。
絶対負けられない
皆の為に
リアムの為に……。