最弱救世主とドS騎士
「大丈夫かリナ?」
リアムのマントで包まれたまま、小さくうなずき手を貸してもらって立ち上がる。
まだ部屋の中は熱いけど
さっきまでの威圧された嫌な雰囲気はない。
後ろを見ると
大きな砂時計の砂は下に落ち
ジャックはシルフィンを支えて立ち
アレックスは声もなく黙って私達を見ていた。
「勝った?……かな?」
一発大逆転?
王妃様の指輪が最大の武器だったのか。
窓の外から温かい太陽の光が射してきた。
外を見ると
もう暗く重い雲はない。
いつの間にか嵐は終わり
どこまでも青い空が高く広がっていた。
フレンドが踊るように空を飛ぶ。
自由に大きく
生きる希望をどこまでも伝えるように飛んでいる。
「街に戻ろう」
アレックスが軽く手を上げると
私達の身体はフッと浮き上がってからの瞬間移動。
魔力も戻った!