最弱救世主とドS騎士

闘いの最初の場所である
壊れた神殿の元に立つと、ドームから流れるように人々が溢れ出ていた。

国中の人達は笑顔を見せながらドームを出て、私達を見つけて歓声を上げる。

「アレックス」

「うん」

アレックスは一歩前に立ち
片手を上げると国民の歓声が倍になった。

神々しい王の姿を見ていると
こっちまで泣けてきそう。

勝ったんだね

もう
闘わなくていい
命を狙われる心配はない
誰も犠牲にならなくていい

生きるだけ

希望を持って生きるだけでいい。

モフモフした物体に身体をドンされた。

「フレンド!」
泣き虫ドラゴンが私のハグを待っていた。

私はフレンドをギューッと抱きしめ
思う存分涙を流す。

頑張ったね
えらかったね

大好きだよフレンド。

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