最弱救世主とドS騎士
医務室のベッドで泣いてたら、課長が慌ててやって来た。
『宮本さん。最近は無理して身体と心が疲れてたかもしれない。ゆっくり休みをとっていいからね。宮本さんが頼りになるから皆で頼って、忙しい思いをさせてしまったね。午後からの会議も出なくていいよ。休んでから帰りなさい』と、学校の先生のような事を言ってくれた。
でもきっと課長の本音は
『婚約者に捨てられたショックだろう』
でしょうね。
違うんだよ。
私は異世界に飛ばされて……
うん
飛ばされたん……だよね。
医務室の天井を見ながら、もう一度冷静になって考える。
異世界に飛ばされる
ないよね
ないわー。
いや
ありえないでしょう。
27歳
大人になれよ。