最弱救世主とドS騎士
もっと突っ込んで聞こうと思ったら
「すいませーん。バイク便ですハンコかサインお願いしまーっす」
爽やかな声と共に長身の男性の姿が視界の隅に入り、一番近い私は「はい」と返事して彼の元へと行くと……
ジャックが立っていた。
「ジャック」
蚊が鳴くような声を出し
口をあんぐりさせてバイク便のお兄さんの顔を見上げる。
人懐っこい笑顔
ふんわりとした黒髪
黒いスタジャンを着たバイク便のお兄さんは、間違いなくジャックだった。
「お元気でしたか?リナ様」
ジャックはサラッと言い
私に品物と伝票を差し出した。
「ジャ……ジャックだよね。どっ……どうして?」
「えーっと配達に来ました。サインお願いします」
「えっ?いや……あれ?その」
完璧パニックになりながらサインをすると「まいどっ!」って明るく言って立ち去ろうとする。
いやいやいや
ちょっと待って!
「待って、話があるの。リアムは?他のみんなは?」
「リナ様。もう少しだけ待っててもらえますか?」
ジャックは申し訳なさそうに私にそう言った。
「僕を信じて、待ってて下さい」
それだけ私に言い
あっという間に目の前から走り去る。
素早い
さすが鳥人間……じゃなくて……
えーーーーーっ!なんだこれ!!!