最弱救世主とドS騎士

「お待ちしておりました救世主様。我が国を救って下さい……」

低くよく通る声をしていた。
そして日本語?外人さんなのに日本語できるの?
いや救世主って……何?

思いきりわけがわからない。
本気でパニックだよ私。
ここどこ?会社はどこ?なんで海?

「お兄さん……どなたですか?ここはどこですか?てか外人さんですよね。馬?本物?言葉……日本語通じるのはナゼでしょう?」
喉はカラカラ心臓バクバク
めまいクラクラ。

「ニホン語とは?」
目の前の男は厳しい顔で私を見つめたので、私も彼の顔を見た。

しっかり見ると
やっぱり完璧なイケメンだ。
ブラウンの長い髪をひとつにまとめ、ブラウンとグリーンが混ざったような瞳がとても美しい。

中世風の紺の衣装に金の刺繍。長い足に黒のロングブーツが似合ってる。腰には大きな銀の剣を差し黒いマントを背負ってる。両肩にあるマントの留め金は大きなエメラルドで、それをグルリと細かく小さなダイヤが支えている。片方の宝石だけで家が一軒買えるかも……いや、今はそれどころじゃないんだよ私。

「だってここ……日本でしょう。だって……あの、私は会社の中にいて、これからお昼で、その……あの……えーーーっ!何これドッキリ?モニタリング?いやいやスケール大きすぎる。私はただのOLですよ」

「救世主様?」

さっきから救世主ってうるさいなー。
何それ?心臓の薬?
北斗神拳の守り神?
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