最弱救世主とドS騎士

さて次の日。

緊張しながらリアムに連れて行かれたのは、近くの大きな公園だった。

「ここ?」

「そう」

あっさり返事をされ、私は辺りをキョロキョロ観察する。
見事な秋晴れの青い空。
遊具で子供は遊び、ドッグランが近くにあるので犬の散歩をしている人達も多い。
土曜日のお昼前。
家族連れが多い平和な公園。

「そろそろ始まるかな」
青味がかったグレーのニットに黒のスキニーパンツが似合う現代リアム。騎士団の制服も似合ってたけど、こっちも背が高くて足が長いから似合うし……目立つ。モデル体型なんだね。
リアムは私の手を握り、小走りで場所を探しながら移動する。
どこに連れて行くの?

少し移動した先には先客がいた。
どちらかといえば9割系で男性が多く、それもオタク系のお兄さん達が多い。お兄さん達は前の方に半円体型で陣取り揃いのTシャツとタオルを持って待機していた。

「リアム?」

「離れて見た方が全体が見えるだろう」
私達は何が起きるんだろうと足を止める一般ピープルに混ざり、お兄さん達から離れて立っていた。すると少し経つとバイク便のスタジャンを着た騎士団達が大きなスピーカーをセットする。レオンとボブだった。懐かしい。いやどうして?何をやってるの?

すると
軽快な音楽がかかり
お兄さん達が下からうなるような声で一斉に掛け声を上げたので私は驚いてリアムを見ると、リアムは楽しそうに私を見る。

そして

「みなさん!今日はありがとーーー!!」

ツインテールのシルフィンがピョンと登場すると、お兄さん達の掛け声が公園いっぱいに広がり、私の目と口も、めいっぱいに驚きで広がった。



< 213 / 236 >

この作品をシェア

pagetop