最弱救世主とドS騎士
壁?壁から抜けてきた?
見逃したからもう一度やってほしい。
いきなり登場した女の子は……超可愛い女の子だった。
それこそ
アイドルグループのセンターにいても大丈夫くらいのルックスとスタイルで、顔は小さく目は丸く唇はサクランボのように赤くプルンとしていて愛らしい。髪は真っ黒のツインテール。洋服はゴズロリ系のミニワンピ。胸元を革の紐でキュッと絞ってからのふんわりペチコートが目立つお姫様膝上ワンピがとってもお似合い。足が細っ!エナメルの黒い靴がピカピカしてる。
「魔法も使えない行き倒れだ。世話をしろ」
「お客様ですね、久し振りのお客様で嬉しいです。初めまして、私はシルフィンと申します」
高校生か中学生くらいだろうか
細身で私より背が低いけど弱い感じはしない。可愛いけど凛としている。
「私は宮本里奈と言います。よろしくお願いします」
丁寧に頭を下げられたので
私もそれに反して頭を下げてると
「後は頼む」
そう言って
いじわるな男は去ってしまった。
もう行くの?
ちょーっと不安なんですけどっ!
目で追いすがる私をシルフィンちゃんはニコニコ笑顔で見ていた。はっ!なんか大人としての威厳もないよね。こんな年下の女の子にうろたえた姿を見せてしまった。恥ずかしい。
「リナ様とお呼びしてよろしいですか?私はシルフィンとお呼び下さい」
シルフィンはドレスの裾をちょこっと持って可愛らしくお辞儀をした。
可愛いわ。萌える。
「リナでいいよ」
「お客様に呼び捨てはできません。まずはいかがしましょうか?夕食は食べましたか?」
夕食……その言葉だけでお腹が鳴る。