最弱救世主とドS騎士

どうやら語学の種類が私の想像を超えているようだ。
これは失敗という話だね。

「数字には強いかな?」
王様はとりなすように私に言い、テーブルの上に大きな表と紙とペンを出す。

「強いです!」
根拠はないけどさっきの失敗をクリアする勢いでそう言うと、リアムが私の横に付き表に書いている円を見せる。

それは大きなホールケーキを8等分した図に、細かく数字が書いてあり、円の外側にも記号と数字が並んでいた。

なんだこれ?

「春の星獣祭の星周りだ。この流れから読むと次の新月の時に牛飼い座はどの場所にくる?そして下弦の月はいつになる?」

「はい?」

まじ意味わかりません。

「星も読めないのか?」

もう呆気にとられたように棒読みで言われてしまった。

「星は……ちょーっと……読めません」

「料理はできるか?」

「一応女子ですからできます」

「牛の解体はできるか?」

うっ……牛?

「羊は?七面鳥は?カモは?ウサギはさばけるのか?」

ズンズンとリアムに詰め寄られ、私は狭い部屋の石壁に追いやられた。

「……できません」
半泣きでそう言うとリアムが怒る前に王様が爆笑する。

だって

牛……さばけます?
スネと肩ロースとタンの場所しかわかんない。
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